2011年12月26日月曜日

【作業用BGM】プログレッシヴでカッコいいクラシックVol.2

今回から、作業用BGMを上げるとその曲に関する感想とかエピソードとかも書くようにしようと思う。アフィリエイトで不労所得が欲しい。仕事めんどい。選うpした曲に関する思い入れとかを文章にしときたいという清らかかつ純粋な動機により。



このシリーズは、
「クラシックのお上品・真面目・堅苦しい・退屈とかいうイメージは、(プログレ的)センスの無い選曲者達のフィルタリングによってダサい曲、初心者には厳しい曲ばかり表に出て来るために作られたイメージであって、実際にはクラシックにはいっぱい(プログレ的に)カッコいい曲はある。もっとプロコフィエフやバルトークを称え、崇めよ!のだめカンタービレ!」
という考えから始めたものである。後付けもあるけれど大体そんな感じである。
今回のVol.2は
「年末には"第九"ではなく、そのプロトタイプであるところの"合唱幻想曲(Choral Fantasy)"を聴く!それが俺のジャスティス!」
と(えせ)マニアぶりたいがためだけに、急遽作成した。

1:「ベートーベン:合唱幻想曲」/ジンマン(デイヴィッド),チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ブロンフマン(イェフィム)、スイス室内合唱団


そこまでクラシックには詳しくない自分が割とマニアックらしい"合唱幻想曲"を知ったきっかけは、2005年頃、ハンガリーのプログレッシヴ・ロックバンドAfter Cryingにハマって、そのキーボーディストVedres Csabaについて色々調べてた時だ。
※AfterCrying, Vedres Casabaの楽曲については以下を参照

(要ニコニコ動画アカウント)
【作業用BGM】Vedres Csaba名曲集 1/2 (Aggressive編)【After Crying】
【作業用BGM】Vedres Csaba名曲集 2/2 (Emotional編)【After Crying】

公式サイトのバイオフラフィーに以下のような記述があった。

(今は以下のページにあるようだ)
http://www.myspace.com/vedrescsaba
I became familiar with the music of Emerson, Lake and Palmer, King Crimson and Frank Zappa in 1981; however, the Choral Fantasy of Beethoven also had a great impact on me. The latter led me to choose classical, rather than jazz study at the conservatory in 1982, where I studied composition under Kocsár Miklós, a highly open and creative teacher.
(拙訳)1981年、私はエマーソン・レイク&パーマー、キング・クリムゾン、フランクザッパといった音楽に慣れ親しむようになった一方、ベートーベンの合唱幻想曲にも凄いインパクトを受けた。そしてそれにより1982年私は音楽学校でジャズよりもクラシックを学ぶ道を選ぶことになった。そこで私はとても聡明で創造的な教師であるKocsár Miklósの元で作曲を学んだ。

つまりその「合唱幻想曲」という曲があったおかげでVedres Csabaという演奏はうまいけれどジャズやロックのノリはイマイチで逆にそこが面白いキーボーディストが生まれたということらしい。そしてその曲を是非聴いてみたい!と思って今は亡き(2011年1月10日没)HMV横浜VIVRE店の奥のクラシック・隔離コーナーに探しに行った。(今ならyoutubeで調べるなあ)

自力で探したけれど見つからなかったので、店員のお姉さんに
「ベートーベンのChoral Fantasy(※英語で読んだので邦題を知らなかった)というのを探しているのですが」
と尋ねると、コンプータを使ってしばらく調べてくれて
「合唱幻想曲のことですね。これに入ってます。」
と見つけてくれたのが以下のCDだった。
「合唱幻想曲...Choral Fantasy・・・ああ、直訳やな。カップリングかいな。そら見つからんわ。ピアノ協奏曲第5番はもう持っとるけど、これしか無いならしゃーないか。」
と思って買った。それが今回のBGMの1曲目というわけだ。よく見るとCDジャケのおっさんの写り、ピーター・ガブリエルに似てるなw



・Peter Gabriel

 ・David Zinman





聴いた第一印象は「これって第九のプロトタイプじゃん(関東弁)」だった。

ベートーベンを描いた「不滅の恋」とかいう映画では、鬱々としたベートーベンがいきなりはっちゃけて第九を書いたみたいな感じになっていたけど、現実はプロトタイプがあったわけやね。交響曲第7番の最終楽章とか聞いても元々たまにはっちゃけるタイプの人やったみたいやし。
曲としては約19分と第九よりはコンパクトで、構成的にはピアノ独奏で無理矢理引っ張る感があって、全体的にちょっとラフなところがプログレ好きとしてはたまらない。お気に入りの一曲である。


まあ第九は第九ではっちゃけた構成になってて面白いけれど。第4楽章でそれまでの第1−3楽章を引用しながら順に否定していって、

「こんなメロディーちゃうわー。俺がホンマにやりたいんはこれやー」
とか言って有名な"歓喜の歌"に至る。身も蓋も無い大ドンデン返しw


2:「バルトーク:弦楽四重奏 No. 4, Sz. 91: V. Allegro molto」/エマーソン弦楽四重奏団
プログレ的には鉄板のバルトーク。バルトークとプログレといえば、EL&Pがファースト・アルバムの1曲目で「アレグロ・バルバロ」というピアノ曲を「未開人」というタイトルでアレンジ&カヴァーしてたりするけれど、この弦楽四重奏には70年代キング・クリムゾンが影響を受けたとか。確かにこの曲も「エマニュエル夫人のエロシーンのBGM 太陽と戦慄Part2」ぽい気がしなくもない。


3:「プロコフィエフ:ピアノソナタ No. 2  IV. Vivace 」/Michel Beroff
プログレ的に鉄板のプロコフィエフ。この曲もプログレッシャーやゲーム音楽好きを萌え殺すために作曲されたとしか思えない格好良さと適度な抽象度。バレエ曲とか「ピーターと狼」とか、色んな曲が書けるので、もし現代に生まれていれば良いゲーム音楽作曲家になったに違いない!


4:「バッハ:管弦楽組曲  BWV 1070 - 5. Capriccio」/Reinhard Goebel: Musica Antiqua Köln
バッハ。なんかバッハを一日中聞いてると、対位法の完成っぷりに「もう死んでもいいや」とか思い始めてしまう。ベートーベンとかシューベルトの後期作品もフーガ的な世界に逝ってるし。ということでカッコいい曲を選んでみた。「ピアノ(チェンバロ)協奏曲第1番」とかもカッコいいけれど、のだめカンタービレで有名になったから避けてみたり。


5:「スクリャービン:ピアノソナタNo.1 Ⅲ」/Vladimir Ashkenazy
ショパンの影響が大きいせいか、プロコフィエフに比べるとイマイチ切れが悪い曲(というか、歌い上げる展開)が多い気がするスクリャービンさんだけど、この曲は結構キレててモチーフもボス戦的でカッコいい。


  6:「モーツァルト:ピアノ協奏曲 No.20 Ⅲ」/Daniel Barenboim; Berlin Philharmonic Orchestra
個人的にモーツァルトの後期ピアノ協奏曲を聞いていると幸せになれる。聴けば聴く程メロディーの展開のセンスが半端ない。あと形式と自由さのバランスが絶妙。20番はモーツァルトにしては※珍しい短調で第2楽章が有名だけど、このちょっと激しい第3楽章が良い。ベートーベンもこの曲が好きで、カデンツァ(ラスト直前の即興のピアノ・ソロ)を書いたとか。

このサイトによるとモーツァルトの全楽曲における短調の曲の割合は1/16だそうな。(以下引用)


作曲家短調の割合
バッハ(1685~1750)約半分
ハイドン(1732~1809)約13分の1
モーツァルト(1756~1791)約16分の1
ベートーヴェン(1770~1827)約6分の1



7:「ラヴェル:弦楽四重奏Ⅳ」/Kodaly Quartet
ラヴェルは「水の戯れ」とか「亡き王女のためのパヴァーヌ」とか綺麗なピアノ曲が多いイメージだけど、自分の見立てでは前回取り上げた「ピアノ協奏曲第3楽章」のアグレッシヴさといい、今回の5拍子っぷりといい、隠れプログレッシャーである(キリッ。
この弦楽四重奏は、第2楽章のピチカートを使ったモチーフも萌える。
参照:Hagen Quartet - Maurice Ravel - String Quartet in F - Assez vif, Très rythmé (2/4)
 


8:「ショパン:練習曲No.12"革命"」/ジョーダン・ルーデス

前回のヴィタリ・クープリによる「木枯らし」に続き、ロック・キーボーディストによるショパン。今回は「革命」by Dream TheaterのJordan Rudess!


  9:おまけ:「ピアノ協奏曲No.1第3楽章」/ELP(キース・エマーソン)
ELPのキース・エマーソンによるピアノ協奏曲の最終楽章。プロコフィエフやバルトークに影響を受けているだけあって、ピアノをパーカッシヴに叩いたアグレッシヴな展開が心地良い。そして最後は綺麗なメロディーで纏めるという、抽象的過ぎずポップ過ぎないバランスが良い。

2011年12月4日日曜日

ブログ開始

使用していたGoogleBuzzが死んで、ちょっとしたメモとか残す方法が無くなってたんで、ブログを始めることにした。
【追記】
でもタイトル(On Reflection = 熟考)的にメモとかじゃなくて割と真面目に書かざるを得ない;